中高生の時にこの本読んでたら5個くらい多めに恋してた気がする

 

小学生時代、仲良しだった3人の女のコ。

高校ではそれぞれ違うグループに属する。

一人はスクールカースト上位のイケてるグループに、主人公は下から2番目の静かなグループに、一人は1番下位のグループに。

 

小さな世界の中でそれぞれがもがく。

中高生なら今まさに、大人になった私達もあの頃に見ていた世界が描かれている。

 

そのようなさらっとしたあらすじはさておき、物語の中でも大部分を占める主人公と伊吹くんについてフォーカスさせてください。

 

伊吹くんは真っすぐで明るくて、クラスの人達にも垣根なく接するとにかくいいやつです。

男子からも女子からも人気のある男の子。

そんな伊吹くんは主人公に付き合ってほしいと言います。

 

ですが、主人公と伊吹くんでは所属が違いすぎる、と主人公は拒むのです。

 

しかし勘違いしてほしくないのですが、これは少女漫画によくあるクラス1番のイケメンに急に好かれる、みたいな話ではないのです。

 

狭い世界の中で、息を殺して過ごす主人公は誰にも理解されないという自惚れがあったように思います。

そして、一見伊吹くんもそういう繊細な汲み取りが出来るような男の子ではないように思えます。

素直に溶け合えない男女関係に、主に女心にあの頃の思い出をずるずると引きずり出してなんともいえない気持ちにさせられました。

 

最後に私の高校生のエピソードをひとつ。

授業ごとに席が変わるスタイルだった私の学校。前の授業で私の席に座っていた男の子が私の席にチョコを置いていこうとしました。

あげる、と言われて私はいらない、と無理やり返しました。

 

このエピソードがあの頃の私をよく表してるなあと思います。

 

あなたのあの頃に引き戻されながら読んでほしいです。