アンダーグラウンドに触れて心休まる

小学生まで自分の好きな理論に則って振る舞うことが出来ていた。

 

好きなことを言っても良かったし、自分が正しいと思う行動をとって良かった。

良かったというか、そう出来る環境だった。

 

中学校に入って、見知らぬたくさんの人に囲まれた。

みんながせっせと仲良くなって、私はなんとなく好きなことが言えなくなった。

部活に入るとさらに好きなように出来なくなった。

部活のコーチはとっても怖くて、悪口を言ったのがバレただけで怒られ部員全員で話し合いをさせられた。

一人ずつ悪口を言ったか申告し、懺悔させられた。

 

今となってはおかしくない?と思うが、初めで怖い大人に出会い洗脳のようにそのまま受け入れるようになった。

 

人と仲良くするのも億劫になった。みんなが楽しい話題が楽しくなかった。無難な返答が出来ない自分が嫌になった。

 

一人で黙々と本を読むようになった。

 

高校に入って、中学にも増してびくびくするようになった。

目立たぬようにそれなりに友達を作り、誰かと一緒にいたが無難なことを言うのに必死だった。

 

大学生になった。大学は広くて人がいっぱいいるから少し多様性が許されるように感じた。

 

少しだけ好きに過ごすうちに、変わってる子になった。だんだん変わってる子を演出するようになってまた息苦しくなった。

 

息苦しさを吐き出せる友達が一人出来て、なんとか心を保ちながらも、また集団から離れて一人なった。

 

社会人になった。人との交わりが薄くなるほど息がしやすかった。でも会社で権力者に緊張する日々に疲れていた。

 

2年くらい経つと同じ場所にいられないようになって転職した。

 

大人になると、今まで行かなかった場所にも行くようになる。

夜遅くまでやってるバーや、オカマバーなどの特殊な場所は私を安らがせた。

 

客として行っているせいかもしれない。

 

とにかく、お酒を飲んでゲラゲラ笑っている空気の中にいると安心した。

 

普通の会社に務められない人のエッセイも好きだった。

 

だけど、そういった世界に安定はないと思っていた。

 

私は安定を捨てられず、誰も心配しない失敗したと思わないような会社を選んで務めた。

 

何も捨てられなかった。

自分のわがままも安定も捨てられなかった。